広陵町の「ポテンシャル」とは?
広陵町は奈良盆地の中西部に位置する人口約3万5000人の町です。関西の経済の中心である大阪市まで30kmという好立地によって、古くから農業や製造業が栄え、同時に古墳や神社などの史跡を有する、産業と歴史文化が両立した町です。
竹取物語の聖地(讃岐神社)
「竹取物語」に登場する“竹取の翁”こと讃岐造(さぬきのみやつこ)とかぐや姫が暮らしていたのが広陵町の讃岐神社周辺、大和国広瀬郡散吉郷(現 広陵町三吉)であるとされています。
靴下産業
奈良県北西部では江戸時代から「大和木綿」と呼ばれる綿の栽培・綿糸製糸・木綿織物などの繊維産業が盛んに行われてきました。
明治期になって工業化が進む中で、旧馬見村の吉井泰治郎氏がアメリカ製の靴下編み機を導入して靴下づくりを始めたことがきっかけとなり、広陵町でも靴下製造産業が始まりました。国産靴下の一大産地として発展し、国内の市町村で靴下製造量No.1を誇っています。
現在も、独自の技術を有する事業者が多く集まっており、嗜好やニーズの多様化に対応した、高いデザイン性や機能性を有した靴下が製造されています。有名ブランドへのOEM提供に加え、高い製造技術を活かした独自ブランドの靴下を販売する事業者も増えています。
2020年にはふるさと会館グリーンパレス(広陵町大字笠168番地)に「広陵くつした博物館」がオープンするなど、地域全体で「広陵くつした」のブランディングに取り組んでいます。
農業(イチゴ・ナス等)
イチゴ
広陵町にはかつて多くのイチゴ農家が存在し、日本有数の生産量を誇っていました。一時は下火になっていましたが、近年再びイチゴ産地を復活させる取り組みが行われています。
特に、町内で生産されえちる2011年に品種登録された奈良県生まれのイチゴ「古都華」は、糖度と酸度が共に高い濃厚な味わいに加え、赤く艶のある果皮と強い香りが特徴です。その味の良さから全国の人気カフェやレストランでも人気が高まる一方、まだ流通量が少なく、希少な“幻のイチゴ”として徐々に知名度を高めています。
ナス
ナスは昭和35年から栽培が本格的に始められ、昭和43年には「夏秋なす」、昭和62年には「冬春なす」が国の野菜指定産地となりました。生産高、品質の優良性などを含め、県下でも有数の産地です。特に、町内で生産されている「サラダナス」は、あくが少なく皮が柔らかいので、生のまま食べられるのが特徴で、サラダにはもちろん、和え物や浅漬けにも適しています。
プラスチック産業
広陵町では昭和30年代前半にプラスチック製品の製造がはじまり、昭和中期にかけて急速に工場が増えました。
現在では、各種レトルト容器などの食品用容器や採血管などの医療用器材を扱う事業者の他、金魚すくいで使用される“ポイ”も生産されており、シェア日本一を誇っています。
馬見古墳群
広陵町の西部を含む馬見丘陵には、4~5世紀に造られた大型古墳が集積し、馬見古墳群と呼ばれています。
中でも、巣山古墳は馬見古墳群中最大の規模を誇り、古墳時代中期初頭の王墓と考えられます。馬見丘陵の中央部に位置する北向きの大型前方後円墳で、墳丘全長約220メートル、後円部直径約130メートル、高さ約19メートル、前方部幅約112メートル、高さ約16.5メートルの規模があり、左右のくびれ部に造り出しを設けてあります。
また、県外からの来園者も多い馬見丘陵公園は敷地内に多数の古墳が点在し、四季折々の花が植えられた園内を散策しながら、古の文化に触れることができる他、隣接する竹取公園内には高床式倉庫・竪穴式住居など当時の風俗に触れられる住居が再現されています。